ワークシフト > 海外ビジネスサポート > 越境EC
【越境EC】成功に必要な3つのポイントと実践方法
こんにちは、ワークシフト海外ビジネスサポートチームのアランです。
海外へ向けたビジネスに関する情報発信やサポートを行っています。
2015年頃から海外向けのEコマース、いわゆる越境ECが盛り上がってきています。ここ数年、越境EC市場は伸び続けており、今後も訪日インバウンドの増加やネット人口の増加に伴って伸び続けることが予想されています。では、越境ECに参入する際に気をつけるポイントはあるのでしょうか。
まず、越境ECを取り巻く状況について越境ECの市場規模、訪日インバウンドとの関係、モバイル端末という3つの観点から分析します。次に、越境ECを伸ばすために必要なポイントについて、出店方法のメリットとデメリットの観点からお伝えします。そして、決済や配送、関税制度などに関して注意すべきポイントを確認した上で、どのように越境ECに取り組んでいくべきなのかを検討します。
- 目次 -
越境ECに関してお困りの場合はこちらからお気軽にご相談ください。ワークシフトのスタッフが越境ECを低コストで実施する方法をご案内いたします。
海外進出や訪日ビジネスに必要な業務を、ワークシフトのスタッフに依頼することができます。
「外国人に仕事をお願いしたいが、コミュニケーションを取るリソースがない」
「プロジェクトの進行管理を頼みたい」
そんな場合に、ワークシフトのスタッフが仕事依頼の作成から納品までの、現地在住の外国人とのやり取りを代行いたします。
> ワークシフトのまとめて外注
越境ECがこれから伸びる根拠となる3つのデータ
1.外国人は日本人よりもネットショッピングの頻度や消費額が高い
世界のEC市場は2018年時点で1兆7,192億米ドルでしたが、そのうち約10%にあたる1,746億ドルが越境ECによるものです。
海外の一般消費者のネットを介したいわゆるECショッピングの年間購入総額は平均して日本の1.6倍以上( 日本人がECサイトから購入する年間平均は約9万円に対し、アメリカでは約18万円、イギリス人は約16万円)となっています。越境ECの市場規模が大きい国は、1位から順に中国、カナダ、ドイツ、ロシア、アメリカとなっています。特に中国の市場規模は群を抜いて大きく、全世界の越境EC市場の約35%を占めています。2018年11月11日(独身の日)に開かれたアリババのセールにおいて、日本の商品が人気No.1を獲得するなど、注目を集めています。一方で、2019年より実施された「中華人民共和国電子商務法」第26条により、中国国外の越境EC事業者は中国の輸出入監督管理などの関連法律・法規を順守する義務を負うこととなったため、対応を迫られることとなります。
参考:
『世界の越境EC市場』に関するデータを新たに発表
中国の「越境EC競争」でウケたカルビーの戦略
越境ECに大きな影響 中国のEC法が可決!
越境ECの市場規模や購買行動の背景には、人口密度や人口構成なども関係しています。一般的に高齢なほどインターネットを使ったショッピングを行わないため、平均年齢が低く、インターネットの使用頻度が高い地域ほど、越境ECを使った購入総額は上昇する傾向があります。例えば人口増加が進み、平均年齢が若い国々も多いASEANでは主要ECモールだけでなく、地場で有力なオンラインショッピングサイトを介した越境ECが盛んで、単なる購買目的だけでなく商品認知経路の役割も果たしています。日本の商品については「安心・安全」「品質・性能が高い」イメージがあり、潜在的なニーズも見込まれます。そのため、日本向けに想定しているよりも気軽にECサイトを通して商品やサービスを購入してもらうことができます。一方で、国内のウェブサイトを利用して買い物をする消費者が多いアメリカや日本、韓国では、購買単価にかかわらず越境ECによる売上額は必ずしも高くありません。そのため、国ごとに合わせた出店先などの対応が求められます。
参考:
アジア10都市の動向調査、主要ECモールとFacebook対応がカギ
2.東京オリンピックによるインバウンドで帰国後も日本の製品をリピート購入する
これまでの越境ECの傾向として、日本に訪れた観光客が商品を国内で購入し、自国へ帰国後も再びその商品やサービスを購入したくなったときに越境ECを利用してリピートするというケースがとても多くなっています。
また、日本政府は2020年の東京五輪までに訪日外国人旅行者数を4000万人にするという目標を立てています。2014年ごろからの傾向からすると観光客数は少なくとも年間で3000万人は超える見通しとなっており、観光客の増加に伴うその後の越境ECの利用は今後ますます増加することが見込まれます。また、「平成29年度観光の状況」及び「平成30年度観光施策」(観光白書)および「平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」報告書によると、日本製品の購買動機・購買手段等についてのアンケート調査で、回答者の実に3〜4割が訪日観光をきっかけに越境ECによる日本製品を購買したと答えていることからも、訪日旅行は越境ECでの売り上げに関わっているといえるでしょう。
参考:
「平成29年度観光の状況」及び「平成30年度観光施策」(観光白書)
我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
つまり、今の日本はまさにこれから越境ECの波が来ると言っても過言ではありません。
3.モバイルインターネットの普及により世界のEC市場は拡大し続ける
国内海外を問わず、オンラインショッピングは世界的な拡大を見せています。ペイパルが31カ国で実施した調査によると、調査対象の消費者の約半数が海外通販サイトを利用しており、特に中東やアフリカは高い割合を示しています。主要ECモールの多言語化や翻訳機能の向上、安全な決済システムの発展により、購入者の住んでいる地域では購入できなかったり手に入りにくいものをインターネットを通して販売できるようになりました。また、今まではPCなどを購入できなかった新興国の庶民層も、安価なスマートフォンを手に入れることができるようになり、インターネットに接続する人数は世界で増え続けています。上述のペイパルの調査では、東ヨーロッパを除くとモバイル端末やタブレット端末による購入の合計は世界中の決済額の3割以上にのぼるとされています。日本では越境ECを積極的に取り組んでいる企業はまだ少ない一方で、海外から日本の商品や製品を買い求める需要は大きい状況です。
参考:
ペイパルによる越境 EC グローバル調査 2018:グローバルでのショッピングに関する調査結果を発表
例えば、中国ではEC市場に偽物が出回っていることが多くある一方で、日本からの商品は品質も良く安全と認識されており、ECでの販売でも重宝されて需要が高まっています。中国人観光客が日本に来て電化製品や化粧品を買い求めていたのと同じ理由だと考えていいでしょう。越境ECによって商品やサービスブランドなどを認知してもらい、その後口コミなどで認知が拡散すれば訪日インバウンド客の集客などに繋がり、店頭での売り上げのアップにも貢献することができます。これまでは訪日インバウンドから越境EC、という流れが一般的でしたが、偽物を回避する目的や商品認知経路としての役割を考えるならば、越境ECから訪日で体験を消費するという流れも今後増えてくると見込まれています。
越境ECに関してお困りの場合はこちらからお気軽にご相談ください。ワークシフトのスタッフが越境ECを実施する最適な方法をご案内いたします。
ECモールに出店する際に注意すべきポイント
ここまで、越境ECをめぐる状況について越境ECの市場規模、訪日インバウンドとの関係、モバイル端末を中心に概観してきました。ここからは、実際に越境ECをおこなうためのポイントについて検討していきます。
越境ECを実施する場合には自社でサイトを開設するだけでなく、既存のECモールに出店する方法もあります。ECモールに出店する場合にも当然メリットとデメリットがあります。これらの両方を把握し、自社にあった出店方法を選択しましょう。
海外大手ECモールに出店する際の利点・メリット
はじめに、Amazonやebay、アリババが運営する天猫(Tモール)や淘宝網(taobao)など、海外大手ECモールに出店する際のメリット・デメリットについて説明します。大手のECモールは
・それぞれの国でECサイト開設ライセンスを取る必要がなくすぐに出店できる。
・集客や広告の掲載に専門的な知識を必要としない。
中国では中国人向けのECサイトを開設するには国の許可が必要になります。そして多くの場合、許可はされません。そこで中国が運営している、中国国外の事業者用のECサイトに出店することが良いと言えるでしょう。
集客の面でもECモールにはメリットがあります。ECモールは多くの店舗が集まっているため、定期的にECモールを訪れるユーザーを抱えています。そのため自社でゼロからサイトを立ち上げるのに比べれば集客が簡単になります。
また、実際に商品を売り始める際にプログラミングや決済の専門知識を必要としません。ECモールごとに設定されている出店方法に従うだけで出店と決済システムの準備が完了します。
海外大手ECモールに出店する際の欠点・デメリット
ライセンスやプログラミング、決済、集客や広告といった参入段階のコストやハードルは相対的に低くなる一方、海外大手ECモールに出店することには次のようなデメリットもつきまといます。
・出店や1回ごとの取引に手数料が発生する
・モールのルールにより取り扱えない商品も稀に存在する
・自社商品ページへの集客はモールのルールに依存する
ECモールに出店する際のデメリットは売上に応じて手数料が発生すると言う点です。出店時や年間維持費などにも料金はかかりますが、ECモール内で越境ECビジネスを大きくしていく上で一番大きなネックになるのは手数料です。
どのECモールでも基本的に出店時の初期費用+売上に応じた手数料がかかる仕組みになっています。これらの費用が発生するため、利益率に限度が生じます。越境ECでの売上が大きくなってきた際には手数料が大きな金額として負担になることもあります。
集客においても、ECモール内で出店する際には上限がある程度決まってしまいます。越境ECを始めた初期段階においてはECモール内からの集客が見込めるという点では良い点もありますが、一方でECモール自体の集客力にも影響を受けます。集客力を上げようとしてもECモール自体の集客力を超えることはできません。
また同様に、商品ページや店舗ページのレイアウトやデザインもそのECモールの設定に従わざるを得なくなるため、他の出店者と比べてオリジナリティを発揮しにくいと言えます。
また、海外大手ECモールは日本法人があるケースでは日本語での対応も可能ですが、海外サイトの場合にはやりとりに英語や中国語などが必要となるケースがあります。
そして、これは海外に限らず大手のECモール一般に言えることですが、ECモール側と出店者とのパワーバランスが不均衡であり、取引条件も不満が残る内容となるリスクがあります。ただし、このようなリスクについては公正取引委員会による調査もおこなわれており、こうした実態には厳正な対処がなされると考えられます。
参考:
(平成31年1月29日)消費者向けeコマースの取引実態に関する調査について
国内ECモールに出店する際の利点・メリット
では、国内で提供されているECモールサービスに出店する方法はどうでしょうか。Yahooや楽天もさることながら、CtoCではメルカリがアメリカ進出するなど、海外向けのサービスを展開するECモールも着実に数を増やしています。では、こうした国内ECモールを利用することはどのようなメリットがあるでしょうか。
・サービス対応が全て日本語で可能。(外国語ページの自動翻訳や商品情報の翻訳などを代行するECモールも)
・それぞれの国でECサイト開設ライセンスを取る必要がなくすぐに出店できる。
・集客や広告の掲載に専門的な知識を必要としない。
海外大手のECモール同様、開設ライセンスや集客・広告掲載については比較的ハードルが低いですが、何より重要なのはカスタマーサポートが日本語で受けられることです。翻訳関連業務などを代行するサービスもあるため、語学面での負担は軽く済みます。
国内ECモールに出店する際の欠点・デメリット
一方で、
・海外での認知度が必ずしも高くない
・自社商品ページへの集客はモールのルールに依存する
最大の課題は認知度といえます。例えばYahooは台湾や香港で一定以上認知されていますが、先述のAmazonやebay、アリババによるサービスと比べると市場が限定的であることは否めません。より広い市場を狙うならば、他のECモールへの出店や広告戦略も必要になってくるでしょう。一方で、越境ECでの商品展開を特定の国や地域の特化しておこなっていくのであれば、日本のECモールを活用することもひとつの選択肢かもしれません。
越境ECを伸ばすために必要な3つのポイント
ここまで、越境ECをおこなうにあたって、国内外の既存のECモール出店および自社ECサイトでの出店についてそれぞれメリット・デメリットを概観してきました。それぞれ長所・短所があるため、自社のニーズにあわせて戦略を練る必要があります。
出店する場所を決めたら、次は越境ECでの成果を伸ばすために必要なポイントが大きく3つあります。ここではそれぞれのポイントについて説明していきます。
越境ECサイトを多言語に翻訳することでターゲットのユーザビリティを高める
まず、越境ECの顧客は海外となるため、自社の商品・サービス説明などを翻訳する必要があります。また、越境ECによって海外に進出する際には、自社のサイトやWebページをターゲットとなる市場にあわせてどの言語に対応させるべきかという問題があります。越境ECで海外に販売する際にはほとんどの場合、英語での対応は必須と言えますが、はたして英語のみに対応していればいいのかは市場に応じて判断しなければいけません。
市場調査の結果をふまえてターゲットとなる言語が決定したら、実際に自社のサイトやWebページ内のコンテンツを翻訳する必要があります。
そのため、どの言語に翻訳をするのかを検討するためには、自社のビジネスチャンスがどこの国や地域に存在するのかを調査する必要があります。
調査の結果、翻訳する言語が決定したら、自社のサイトやサイトのコンテンツを翻訳する必要があります。
新しい商品を続々と入荷するタイプのECサイトの場合、新しい商品を発売する度に翻訳を行う必要があります。翻訳は特に多言語翻訳の場合、自社では完結できない場合がほとんどなので、翻訳業者や翻訳サービスを使用することが必要になります。
ワークシフトでは世界209ヵ国9万人の海外在住者が登録をしており、これまで14ヶ国語の翻訳に関する実績があります。また、それぞれの翻訳業務に対して業務終了後の評価を見ることができるので、安心して翻訳を依頼することができます。
ワークシフトではWebサイトの翻訳や専門分野の翻訳など、様々な種類の翻訳を依頼することができます。
ワークシフトで依頼できる翻訳業務の種類
また、場合によっては海外の消費者への対応が必要となるため、多言語でのカスタマーサービスが必要になります。越境ECを展開する上で、販売先の国の購入検討者から来る商品に関する問い合わせに対し、前もって準備しておく必要があります。多言語でのカスタマーサービスを自社だけで対応するのは多くの企業にとって困難なため、通訳・翻訳サービスを導入するのが良いでしょう。 ワークシフトでは通訳やオンサインサポートの仕事を依頼することが可能です。 ワークシフトで依頼できる通訳業務の種類
調査やアンケートでターゲットのインサイトを深堀りする
越境ECで外国人向けに商品や製品を売り出す際には、その商品や製品が果たして外国人にニーズがあるのかを調査する必要があります。
世界のどの地域の消費者に興味を持ってもらえるかを調べるためにはアンケート調査や店舗調査などが必要となります。商品情報を翻訳する場合にも、その商品が売れるという見込みがある地域の使用言語に翻訳することで、より多くの売り上げを目指すことができます。また、商品改良やローカライズ、あるいはより効率的な広告戦略を練る上でも市場調査は欠かせません。場合によってはテストマーケティングをおこなってみることも視野に入れるべきでしょう。
どのような商品がどの地域の消費者に売れる可能性があるかを調べるためにも、世界中のネットワークを利用して調査をおこなうことは必須の工程といえるでしょう。
ターゲットが安心して購入できるような決済方法を導入する
市場を調べ、商品やサービスを現地語で紹介した上で、実際に越境ECで販売する段階に至ったら、どのように決済をおこなうかという課題がでてきます。一口に決済方法といっても、越境ECのターゲットとなる市場にあわせた対応が必要になります。先進国であればクレジットカード決済のみで対応できる場合も多いですが、全世界的に見るとクレジットカード払いではなく銀行振込や現地のローカルな決済方法に対応せざるを得ない場合もあります。
例えば中国の銀聯(ぎんれん)カードは日本で言う所のデビットカードで、決済と同時に預金から引き落としが発生するサービスです。日本では馴染みがありませんが、中国での普及率は日本人のクレジットカード普及率よりも高いと言われています。デビットカードタイプの銀聯カードはこれまでに30億枚以上が発行されており、実際に世界中の都市で使うことができます。中国人向けの越境ECを運営する場合には銀聯カードでの決済はマストだということができるでしょう。
また、スマートフォンの普及が著しいインドや東南アジアでも、決済の多くはCOD(代引き)となるため、現地の配送サービスと提携するなどして対応する必要があります。
このようなローカル決済システムにも対応する必要があります。どの地域の購入者にでどの決済の方法で対応すべきかを調べる必要があります。
越境ECにおけるそのほかの特徴や注意点
ここまで、越境ECで海外販売をおこなうまでにどのようなことをするべきかを見てきました。上記以外にも、越境ECでは通常の海外販売とは異なる特徴や注意すべき点があります。
スマートフォンの普及により個人レベルでも商品やブランドを世界に発信することができる
ここ数年でスマートフォンが全世界に普及したことにより、インターネットに接続することのできる人数は爆発的に増えています。発展途上国においてもGoogleの提供するAndroidというOSを使うことで安価にスマートフォンを購入することができるようになりました。
そのため、あらゆる産業でビジネスのターゲットが増え、ネットで発信することで世界のニッチな層も掘り起こすことができます。
またスマートフォンは移動中にもインターネットに接続することができるため、ネットの接続時間が増えることにより買いたいものの情報収集に使える時間も増えています。SNSを活用することで、これまではテレビや新聞や雑誌など広告を出稿するのに必要なコストが大きかったものが、広告費をかけずにもしくは小さな金額から実施できるようになりました。
ECビジネスは低リスクでビジネスを開始することが可能
数年前まではインターネット上にECサイトを開設するために(自分でプログラムを組むことができなければ)数十万円単位のコストがかかりました。しかしここ数年でインターネットサイトの開設に関する技術の発展と市場の成熟により、1~数万円でサイトの開設や決済システムの導入をすることができるようになりました。
また、技術の発展により、よりデザイン性の高いサイトを簡単に選べるようなサービスも出てきています。
加えて、インターネットでのマーケティング方法や顧客情報の分析に関するシステムやツールも充実してきています。越境ECに限らず、インターネットを使った商品の売買に関するノウハウがあらゆる分野で蓄積されてきており、より効率的な販売を行うための情報が充実しています。
これらの技術の発展による越境ECの低コスト化と市場のこれからの成長性を考慮すると、いまは越境ECに参入するのに有利なタイミングと言えます。参入する際の販売サイトなどの導入費用は下がっていますが、まだ越境ECに特化した業者はそれほど多くないため、売る商品の分野によってはこれから大きな成長を期待することができます。
その商品の実力が正しく評価されやすくなっている
インターネットやSNSの発達にしたがって消費者は商品やサービスの評価を残しやすくなりました。その結果、それぞれの商品やサービスの評価がインターネット上に多く残っています。
評価の高い商品であれば広告費をかけなくてもネット上の口コミや評価などで流行しやすくなりました。
むしろECサイトの運営している業者はそれぞれの商品に口コミを残すようにすることで、消費者に安心してその商品を購入してもらえるようなシステムを構築しています。
そのため、購入者の満足度が高い商品はそれだけ購入検討者にも安心を与えることができます。つまり、購入後の満足度が高い商品がその実力通りに多く売れるような仕組みができています。ECサイトだとその商品を実際に手にとって見てみることができず、本当にその商品が自分の期待通りのクオリティーかどうか不安になることも多いためこのような評価システムは重要視されています。
逆に注文後、実際に手に届いた商品のクオリティーがサイト上に書いてあるものより低かったり購入者の期待よりも低かった場合には、サイト上で低評価がつくことがあります。低評価がついた商品は売れにくくなるため、その後の購入者が期待外れになることは少なくなります。
商品を送り届けるための物流
いうまでもなく、日本から海外へ商品を発送する際には物流業者が必要になります。(場合によっては日本で受注して海外から海外へ商品を移動させることもあります。)
国境を超える取引の場合には、荷物の取次や税関での取り扱いなど、いくつかの専門知識が必要になります。また、発送方法はとても多くの種類が存在するため、最適な発送方法を見つけるために多少の習熟が必要となります。どの方法、どの業者が安いかを知ることでコストを抑えることができ、ビジネスの発展に良い影響を与えることができます。
関税・税関チェックなど国際輸送における取引
越境ECのように国境を越えた取引が行われる場合には、その商品やサービスに対して関税が発生します。関税はその商品の購入者が支払う必要があり、場合によっては関税が高額になってしまうことで受け取りの拒否や返品につながる恐れもあります。そのため、商品販売の際には購入者に対し関税に関する情報をしっかり伝える必要があります。
商品によっては国内外の関税法で輸出入が禁止規制されていることによって国際郵便では送ることのできないものもあります。自社が発送する商品はどの地域になら滞りなく送ることができるのかは事前に調査をしておく必要があります。
輸出入の許可リストは各国の税関ホームページに掲載されているので定期的にチェックを行いましょう。
また、外国人の支払いに対する意識も考慮しておくことが必要です。
日本であれば、注文したら購入者のほとんどはすぐに代金の払い込むことがほとんどなので、注文と同時に在庫を確保しても資金的な問題が発生する心配をする必要はあまりありません。しかし、海外の購入者はサイトで注文をしてから代金の支払いを行うまで長い時間をかける人も多く、また注文後にキャンセルをする人の割合も日本国内に比べて高いため、注文が来たからといって早めに商品を補充するとその在庫が無駄になってしまう、もしくは資金的な問題が発生する可能性があります。
法律や商標登録
越境ECのような電子商取引が行われる時、購入者の地域の法律が取引に対して適用されることがほとんどです。そのため、販売先の国における商取引に関する法律の知識が必要になります。
また越境ECで販売する商品やサービスに関する商標権も注意が必要です。たとえば中国では、日本の地名や建造物や有名商品などが前もって商標登録していることが多く、「東京スカイツリー」や「今治」といったような言葉は日本国内で有名になるとすぐに商標登録されることがあります。有名なものだとAppleは中国においてiPhoneという商標の登録に失敗したという例もあります。世界的な大企業であるAppleでも商標において苦労することがあるため、自社の扱っている商品に関して調べることは、対象地域でビジネスを行う上で必要なステップと言えます。
越境ECを伸ばすために必要な3つのポイント
ここまで、越境ECをおこなうにあたって、国内外の既存のECモール出店および自社ECサイトでの出店についてそれぞれメリット・デメリットを概観してきました。それぞれ長所・短所があるため、自社のニーズにあわせて戦略を練る必要があります。
出店する場所を決めたら、次は越境ECでの成果を伸ばすために必要なポイントが大きく3つあります。ここではそれぞれのポイントについて説明していきます。
どのようにして越境ECを成功させるか
ECビジネスは低リスクでビジネスを開始することが可能
数年前まではインターネット上にECサイトを開設するために(自分でプログラムを組むことができなければ)数十万円単位のコストがかかりました。しかしここ数年でインターネットサイトの開設に関する技術の発展と市場の成熟により、1~数万円でサイトの開設や決済システムの導入をすることができるようになりました。
また、技術の発展により、よりデザイン性の高いサイトを簡単に選べるようなサービスも出てきています。
加えて、インターネットでのマーケティング方法や顧客情報の分析に関するシステムやツールも充実してきています。越境ECに限らず、インターネットを使った商品の売買に関するノウハウがあらゆる分野で蓄積されてきており、より効率的な販売を行うための情報が充実しています。
これらの技術の発展による越境ECの低コスト化と市場のこれからの成長性を考慮すると、いまは越境ECに参入するのに有利なタイミングと言えます。参入する際の販売サイトなどの導入費用は下がっていますが、まだ越境ECに特化した業者はそれほど多くないため、売る商品の分野によってはこれから大きな成長を期待することができます。
越境ECへの取り組みを始めている企業の方はこちらの記事もご参考ください。
越境ECに関してお困りの場合はこちらからお気軽にご相談ください。ワークシフトのスタッフが越境ECを実施する最適な方法をご案内いたします。