観光庁のデータから読み解く、インバウンド旅行客のホットな需要
増え続けるインバウンド旅行客、2016年はまだ終わっていませんが、過去最高の訪日旅行客数を記録することはほぼ確実です。インバウンド旅行客が増加することでインバウンドビジネスも拡大していくことが予想されます。今回はインバウンドビジネスの拡大を目指して、インバウンド旅行客の需要・ニーズを把握しましょう。観光庁から出ているインバウンド旅行客のデータを読み解くことで、今後インバウンドビジネスを展開するにあたり気をつけるべきことが見えてきます。
インバウンド対策を行う予定の企業の方はこちらの記事もお読みください。
> インバウンド対策で訪日外国人向けのビジネスを充実させるために必要な考え方 - ワークシフト
訪日外客数の変化
海外から日本へやってくる旅行客(正確にはビジネスも含む)は毎年うなぎのぼりで増加しています。外客数は2011年の621万人から毎年20%以上の伸び率で増え続けています。2016年は11月までの時点で約2198万人で11月の時点で過去最高を更新しています。政府は2020年に4000万人の訪日旅行客を誘致することを目指しており、オリンピックに関わるものを中心にインバウンド旅行客を増やすために各種政策が行われることになるでしょう。
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> インバウンド対策カテゴリの記事一覧 -ワークシフト
地域別の訪日外客数の割合
昨年2015年のデータになりますが、全訪日旅行客のうち80%以上はアジアからの旅行客です。この割合は数年間変わっておらず、アジア地域からの人気が高いと言えます。アジアからの観光需要は伸び続けることが予想されているので、翻訳・通訳や接客対応でこれらの地域に関する対応を行うことでインバウンドビジネスを伸ばすことができるでしょう。
東アジアからの旅行者は7割以上がリピーター
韓国、台湾、香港からの旅行客は7割以上が2度目以上の訪日となっています。つまり7割以上がリピーターということです。つまり、日本に繰り返し訪れるファンです。これらの東アジア地域に比べて中国からの訪日旅行客は半数以上が初めての訪日となっています。逆にヨーロッパからの旅行は1度目である人が半数以上となっております。
何度目の訪日かによって日本に対する理解度も異なります。リピーターの場合は日本を深く理解したいという考えがある人も多いので、旅行者の意図を汲み取った対応を行うことができます。
旅行者の滞在日数
全旅行者の約半数が日本への滞在は4~6日、約90%以上が4日以上となっています。一度に一都市だけではなく数都市を回る場合が多いようです。東京や京都、大阪などの大都市を訪れてその他に地方に訪れることが多いです。地方でインバウンドビジネスを展開している場合には大都市への観光客をどうやって呼び込むかを考えることがとても重要な施策になります。
航空券と宿泊の手配方法
日本に来る際の旅行の手配方法は6割以上が自分で手配し、2割が団体ツアー、1割強が個人ツアーで手配しています。自分でツアーなどは使わずに自分で旅行を手配する人が一番多く、日本での自由な行動をしたいと考えている人が多いようです。どの層に向けたビジネスを展開するかによって、インバウンド対策でやるべきことは変わってきます。
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高まり続ける訪日での消費額
訪日の際の消費額の総額は2~3年前の2~3倍くらいに膨らんでいます。2016年の前半は四半期で9000億円前後の市場規模になっており、インバウンドビジネスは拡大をしています。ただ一人当たりの消費額は10万円代の後半であまり増加しておらず、旅行者の増加が総額をあと押ししている結果になっています。
また消費金額の全体のうち、40%は買い物、25%は宿泊料金、20%は飲食費として消費しているという結果も出ています。ショッピングに多くの金額を消費するようなので、訪日旅行客のショッピングをターゲットにしたビジネスは特にインバウンド対策を行う必要があります。
国と地域別の消費額
訪日旅行客全体の消費額のうち、7割弱は中国を含む東アジアからの訪日旅行客の売上となっています。特に4割は中国人旅行客による消費です。これらの地域をターゲットにしたビジネスを展開することで、より多くのインバウンド関連の売上を上げることができます。
品目別の購入率 人気の商品
日本滞在時の人気の商品は菓子類・医薬品日用品・化粧品となっています。多くのインバウンド旅行客は日本の滞在中にこれらの商品を買うようなので、翻訳や通訳をつけることで店頭で手に取ってもらうことができるでしょう。お菓子は主に現地での消費、化粧品はお土産として買うことが多いようです。
海外で販売されているものと比べてクオリティが高いこれらの日本製品は継続的に人気が出続けることでしょう。一番人気の菓子類に関しては6割以上の訪日外国人が日本滞在時に何らかのお菓子を購入するというデータになっています。
日本到着前に使ったもので役に立った情報源
訪日を考える際に日本の情報を集めるためには様々な情報源がありますが、その中でも訪日客がよく使っているものがあります。それらの情報源にいかに情報を流すかが重要になってきます。
訪日客が日本到着前に使った情報源のうち、検索エンジンでの検索、SNS、旅行ブログ、親しい人からの口コミ、旅行ガイドブックからの情報が役に立ったそうです。親しい人からの口コミと旅行ガイドブック以外はインターネットメディアによるものであり、いかにインターネットでうまく発信するかが重要になってくると言えます。検索エンジンであればWebサイト、SNSであればFacebookやTwitter、weiboなどのアカウントの対策を行うことが必須です。
日本滞在中に役に立った旅行情報源
前のデータは日本到着前に使った情報源のデータでしたが、こちらは日本到着後に使用した情報源でした。観光案内所、ガイドブックなどある中でダントツの回答数だったのがスマホで見たインターネット情報でした。日本に滞在している旅行客に向けて情報を発信する際にはスマホでアクセスできる情報を発信していく必要があります。
スマホサイトやスマホアプリを作成して、スマホでもアクセスできるようなメディアを準備することは必須の対策です。
訪日前に期待していた日本での行動
1位は「日本食を食べること」
2位は「ショッピング」
3位は「自然・景勝地観光」
という結果になりました。
日本食を提供している場合、化粧品や菓子類、電化製品などの商品を販売している場合、自然の観光地を運営している場合には特にインバウンド対策をしっかり行う必要があります。
海外での日本食ブームも続いており、寿司をはじめとした日本食の人気は続くでしょう。飲食店と海外旅行客とのトラブルがニュースになることもありますが、翻訳や通訳、外国語によるメニューの外国語化などを行うことでインバウンド旅行客の満足度を高めることができます。現在は旅行客が満足度をインターネットで発信することも多く、丁寧な対応をすることでSNSや旅行サイトなどでの評価を高めることができます。
最も満足した購入商品
一番人気は衣料品、その次は化粧品、その次は医薬品日用品が人気です。
これらの品目を見ると、ショッピングを楽しむのは女性だと予想することができます。店内のレイアウトやWebサイトのデザインは女性の使いやすさを意識したものにするとより満足度を高めることができると言えそうです。
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インバウンド対策でビジネスを拡大するために
今回ご紹介した方法は日本の事業者がインバウンド対策として訪日旅行客に自社の商品やサービスを売るために実施できるいくつかの方法とその具体的な運用方法でした。訪日旅行客が増えている現在、適切なインバウンド対策をしっかりと行えば訪日旅行客にPRすることができます。