ポルトガル語の翻訳は難しい?日本語からポルトガル語に翻訳を依頼する際の注意点
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こんにちは!ワークシフトの海外ビジネスサポートチームです。
今回は主にポルトガル語の翻訳について、ご紹介していきます。
ブラジルやポルトガルとの取引をする際などにはポルトガル語の翻訳や通訳が必要になります。
進化し続けるブラジルポルトガル語
ブラジルポルトガル語はその美しさや難しさといった特徴によって世界にで広く知られています。約2億700万人のブラジル人が使用している言語です。
日本でポルトガル語と言われているものは、ポルトガル本国で使われているイベリアポルトガル語ではなく、ブラジルで使われているブラジルポルトガル語を示すことが多いです。
ポルトガルからブラジル流入したポルトガル語は、初めはブラジルにいるポルトガル人が使用していたものでしたが、その後文化や社会の影響を受け、今日ブラジルで使用されているポルトガル語に変化してきました。
この関係性は、インド・ヨーロッパ語族など、いくつかの言語が混ざり合って使われている地域にも見られるものです。そもそもポルトガル語もフランス語から影響を受けています。
19世紀前半にブラジルが独立した後、ブラジルを侵略したスペイン、オランダ、およびその他のヨーロッパ諸国の影響によりポルトガルで使われているポルトガル語とブラジルで使われているポルトガル語は違ったものに変わっていきました。
ブラジルポルトガル語を従来のポルトガル語と違うものとして認識されるようになった背景にはロマン主義の影響もあります。モダニズム (1922 年)によってヨーロッパ文化が過剰評価されていた状況を客観視すべきという流れが芸術や文学などの各方面で起こり、その流れの中で「ブラジルの母語」として、独自の言語を大切にする人々によってブラジルポルトガル語の標準化・一般化が行われました。
また、ロマン主義の影響でブラジルにおいて数多くの文学が作られるようになり、その結果として新しい言葉が次々に生まれるきっかけにもなりました。
現在でもインターネット産業を中心とした技術の進化とともに、新しい言語が生まれています。
ポルトガル本国で使われているポルトガル語とブラジルポルトガル語の違いは?
ブラジル、ポルトガルはそれぞれの国での歴史上の出来事や文化的な側面などさまざまな状況の影響により異なる意味合いを持つ言葉が増え続けています。 一例として下記の表のような違いがあります。
ブラジルポルトガル語 | 本国ポルトガル語 | スペイン語 |
---|---|---|
Celular | Telemóvel | Móvil |
Legal | Giro/fixe | Genial |
Tela | Ecrã | Pantalla |
Ônibus | Autocarro | Autobús |
これらはブラジルポルトガル語とポルトガル語の異なる用語の一部です。同じポルトガルを使っていると言えど、ブラジル人とポルトガル人が混同する用語や表現は多数存在します。
日本語をブラジルポルトガル語に翻訳する際の注意点
日本語とブラジルポルトガル語は世界の両極の言語だと考えると文章を正しく翻訳するためには注意深く、意味的構造と文法知識が必要です。
日本語とブラジルポルトガル語は大きく異なる言語であるため、文章を読み続けるためには正確な知識と前後の文脈理解が必要不可欠です。
文法的な説明をするために一例を挙げて説明します。
1, 椅子の上に猫がいます。
2, 猫が椅子の上にいます。
3, 猫は椅子の上にいます。
この文章をポルトガル語にするといくつかの翻訳形が想定されます。
Em cima da cadeira está o gato.
椅子の上に猫がいます。
Tem um gato em cima da cadeira.
猫が椅子の上にいます。
O gato, está em cima da cadeira.
猫は椅子の上にいます。
この例では、上記の文章がポルトガル語でどのように翻訳され理解されるかを日本語の文法的構造から説明しています。3つの例文では、主語と述語の順序と単語は変えずに翻訳が行われたことが分かります。
しかし、詳しい違いに着目してみると「います」という動詞は日本語の例文では常に文末に置かれてあるのに対し、ポルトガル語の例文では主語は文の構造によって様々な位置に置かれ、「います」という動詞も例文によってそれぞれ違う位置に表示されてあることがわかります。
一見すると動詞の文章中の位置だけが異なっているで簡単そうに見えます。しかし、日本語とポルトガル語は動詞の活用形が全く異なるため、正しい翻訳が行われないと訳文の構造が不適切な形なりその結果意味が通らなくなる場合が多いです。
日本語とポルトガル語における翻訳で起こりがちなミスの例は、日本語の複合動詞を翻訳する場合に多く、特に意味構造が同じ重みを持つの場合に多く起こりますポルトガル語で対応する動詞がない場合、適切で自然な訳文にするためににはポルトガル語の慣用句を使用します。複合動詞の下の例を見てみましょう。
その後またカラスがどこからか、たくさん集まってきた。
Corvos começaram então a se juntar em bandos.
上記の例では、「集まってきた」を「começaram... a se juntar」と翻訳し、「たくさん」という副詞を「em bandos」と表現しました。どのような表現にするかは、前後の文脈やこれまでの用例や通例を参考にすることがあります。
以上の理由から自動翻訳サービスだけでは限界があることがお判りいただけると思います。自動翻訳サービスはデータベースに登録されている表現と文章構造の情報が限定的なため、このような例外的な動詞活用形や用語などを全て正確に翻訳することには限界があります。
もう一つ例を出してみます。熟練した翻訳者に翻訳を依頼する必要があることがわかると思います。
彼はいつも人に打ち解けた態度をとる人だ。
Ele é sempre amigável com os outros.
【人に打ち解けた – amigável com as pessoas】
「態度 – atitudes/ações」
例文では 「 態度」 を省略し、「人に」に当たるポルトガル語の表現「...com os outros」を使用しています。しかし。これを言葉通りに翻訳すると「相手に」となりますが、原文の本当の意味通りではありません。
複合動詞の使用も翻訳者が理解する必要のある項目の1つです。
次は、 もう一つの例文で「打ち解ける」という複合動詞を見ましょう。
彼と打ち解けた。
Ele saiu de sua “bolha”.
いくつかの動詞は直接目的語が前に来なければ意味が分かりません。ここで出てくる「打ち解けた」という表現は、自動翻訳で翻訳すれば「友人を作る」という意味だと分かりますが、直訳すると全く関係ない表現となります。
この例文のもう一つ注意点は「sair da bolha」が自動翻訳サービスだと「バブルをでた」 とそのまま翻訳されてしまうこともあります。
文脈や本来の意味によっては、日本語の文章で動詞の位置を正しいところにおさめるために別のことばを入れる必要もあります:
将来、子どもが生まれたときのために知っておきたいのです。
Já gostaria de saber disso, para o caso de eu ter um bebê.
ここでの「将来」は正しく使用されています。 ポルトガル語でも将来に起こる状況を正しく示すことができています。
日本語、ポルトガル語間の翻訳を複雑な作業にしているの大きな原因は、動詞の一致に関するものです。ポルトガル語には120 以上の代名詞があります。代名詞がたくさんある理由は、代名詞が性別および数(単数形または複数形)によって異なる表現になるからです。日本語にはこれほどポルトガル語のような代名詞が存在しないため、翻訳作業が複雑になります。
例を見てみましょう:
私の全部の弱点。 Todas as minhas fraquezas.
上記の例では、ポルトガル語のいずれの単語も性と数が名詞「弱点」と繋がっています。
黄色くの塗られている通りに植えられている花々。 As flores plantadas nas ruas pintadas de amarelo.
この翻訳では、 「黄色」という言葉を除いて、性と数すべてに一致があります。しかし、原文では、唯一の複数形で表れる単語は「花」となっています。
日本語-ポルトガル語の翻訳は自動翻訳では対応できない場合が多い
自動翻訳サービスでは動詞の時制を適切に翻訳することができません。自動翻訳サービスは、操作方法によって不正確になってしまうことがよくあります。例えば自動翻訳サービスを使用する際に、まず翻訳したいテキストをコピーしそれを入力フォームに貼り付けますが、誤って翻訳対象の言語を結果表示側に設定し、それを逆に入れ替えた際に原文が失われてしまうこともあります。
また自動翻訳サービスでは文法構造の順序が逆転し、文脈に最も適した単語に翻訳されない場合があります。自動翻訳サービスは翻訳者のサポートとしてに役に立つことがあります。しかし、日本語とポルトガル語は大きく異なる言語であるため、自動翻訳は経験のある翻訳者による翻訳のクオリティにはまだ到底及びません。
日本語からポルトガル語に翻訳する場合の料金の相場は?
日本語からポルトガル語に翻訳する際の翻訳料金の一般的な相場は下記の通りです。日本語、ポルトガル語間の翻訳者は常に不足しているため流動的であり、単純な相場を決定するのは難しくなっています。一般的に翻訳代理店は1文字あたりの予算を作成しており、そこからさらに翻訳レベルによって値段が変わってきます。基準は納品日、文字数、件名、翻訳の種類(文芸翻訳・実務翻訳)です。これらの要件が決まったあと、翻訳者の経験やレベルによって予算が変化します。
ビジネス・プロ・ベーシック
1000 文字を1 ページとしておおよその価格が決定されます:
※ビジネスサービスは約17,200円
※プロサービスは約13,000円
翻訳初心者の場合、1文字の約11円くらいの相場となり、1000文字の1ページで翻訳料金は約11,000円前後となる場合が多いです。
日本語からポルトガル語へ翻訳する際には文字数がかなり増加するため、それを含めて予算を考慮する必要があります。
一般的に日本で翻訳を行う際には1文字単位で料金が変化します。一方でヨーロッパ言語は1単語単位で料金を計算します。
日本語からポルトガル語に翻訳する場合には文字数が50%以上増加するので、この割合に基づいて料金を計算します。
翻訳料金は、翻訳者の実務経験・経歴によって変わりますが、一文字あたりの単価は大体10円から20円です。
なお、Workshiftプラットフォームでは、日本語、ポルトガル語間のの翻訳経験が豊富なブラジル人の翻訳者が多数登録しています。これらの翻訳者と直接相談出来る機能も提供しているので、依頼の正式な発注前に翻訳者とやりとりをしてみて下さい。
日本とブラジルの商習慣の違い
ブラジルの事業予測
2017年に実施された調査によると、ブラジルは世界の起業家数ランキングで5位に位置しており、ブラジルでのスタートアップへの投資は引き続き拡大すると予想されています。
世界中から憧れられるユニコーン企業になるためにブラジルでは多くの起業家や投資家が活発にスタートアップを展開しています。
その結果、99taxi、Pagseguro、Nubankといった企業がUnicorn(時価総額が1000億円を超える未公開企業)になりました。これらの企業はブラジルで最初のユニコーン企業です。またさらに興味深いのは、これらの企業がまだほんの数年前に事業を開始し始めたばかりということです。
ブラジルには起業家精神が溢れていることを示す素晴らしい例は他にもあります。フィンテックのスタートアップも拡大を続けています。2017年5月に実施された調査によると、ブラジルのフィンテックは中南米で最もフレキシブルな金融系のビジネスモデルのうち33%を占めることが分かりました。南米に703あるFintechのスタートアップうち230はブラジルの企業またはサービスです。南米のFintech企業のうち、それぞれの国が占める数は以下の通りです。
ブラジル(230)
メキシコ(180)
コロンビア(84)
アルゼンチン(72)
チリ(65)
これらの5カ国で、ラテンアメリカのFintech企業の90%を占めています。 しかし、ブラジルで推進されるような取り組みを実行するためにはイノベーティブなアイデア以外も多くのものが必要です。既存の法律に準拠した計画を実行するためには最高の戦略を使用する必要があります。 すでにビジネス経験があるパートナーから、外国からの投資を誘致することも非常に重要です。
ネパール語の翻訳に関してお困りの場合はこちらからお気軽にご相談ください。弊社のスタッフがモンゴル語の翻訳を実施する方法を無料でご案内します。
プロジェクト・マネジメント方法論
グローバリゼーションとIT産業を中心としたイノベーションの結果、ブラジルでいくつかのプロジェクト管理方法が実施されてきました。
特にリーン手法は産業部門を中心にブラジルで頻繁に使用されており、エンジニアリングやITなどの他の分野でのプロジェクトの方法論として、ますます頻繁に採用されるようになっています。
カンバン方式は、会社のプロセスを全体や部分的にも適用し、継続的な改善と生産性の向上に問題に着目するプロジェクトの管理方法です。ブラジルの産業界では以前から取り上げられてきており、これらの方法論は現在技術分野で重要な役割を果たしています。
習慣や行動などの注意点
ブラジル人挨拶の方法
ブラジルでビジネスをするときに重要なのはキスとハグをする文化です。ブラジル人にとっては身近な習慣です。
日本人にとってはこのような文化は馴染みがなく、少し奇妙に思えるかもしれませんが、ブラジル人にとって友達や家族、同僚にこれらの挨拶することは礼儀が良いことだと評価されます。
日本人との親切さ
ブラジル人はアジア文化に敬意を持っており、特に日本文化、日本人を大切にします。日本企業との関係にもとても興味があります。これらのブラジル人の日本人に対する感情は同じビジネス環境にいれば簡単に気付くことができるので、日本人はある意味驚くことがあるかもしれません。ブラジル人は友達になりたい気持ちで日本の人と会うと、優しくなります。例えば、ミナスジェライスのような地域では特に親日的な人が多いです。
ブラジルの多くの祝日
ブラジルでは多くの休日があります。休日の大部分は宗教的な理由で設定されており、あとはお祭りや地方の休日などが入ります。日本に比べて多く休日があるため前もってこれらを把握して、ブラジルでビジネスをする上で役立ててください。