インバウンド対策でクラウドソーシングを効果的に活用する方法
政府も推し進めるインバウンド対策
2022年、政府の規制緩和によって訪日旅行客も徐々に戻りつつあります。コロナ前に3200万人だった訪日外国人も2020年にはほぼゼロになりました。そこから2022年以降は大きく回復することが見込まれています。2010年台の後半の伸びを見ると、日本のインバウンド旅行客に対する潜在的な魅力は非常に大きいことが予想されます。
2022年後半から、またインバウンドが大きく伸びると考えていいでしょう。
一方で日本では長期的に見れば縮んでいく国内市場という現状があります。日本国内でこれまで培ってきた商品力の高い商品やサービスを訪日客に提供することは将来の日本にとっても重要です。政府は国としてインバウンド対策を推し進めていく姿勢を見せています。
インバウンド対策でクラウドソーシングをどう活用するか
自社でインバウンド対策に取り組むにあたってクラウドソーシングはどのような点で活用することができるかをご紹介していきます。インバウンド対策で訪日客に商品やサービスを提供するに当たって、さまざまな点でクラウドソーシングを活用することができます。
主に翻訳、商品開発、サイト構築、プロモーションに分けることができ、それぞれ具体的にはどのような業務を進めることができるのでしょうか。
翻訳
インバウンド対策で外国人旅行客に魅力的な商品やサービスを提供するためには、消費者に伝わる表現が必要です。その多くが英語になることが予想されますが、英語以外にも中国語やスペイン語などが必要になることも多々あるでしょう。現地の消費者にとって魅力的な商品やサービスとしてアピールするためには自然な翻訳が必要です。自然な表現にするためには、日本国内で翻訳はしないことが重要です。ターゲットの消費者と同じ生活をしている翻訳者に翻訳を依頼することで、より自然で魅力の伝わる翻訳にすることができます。
例えば、現地語ができる日本人などだと直訳はできても意訳はできない場合もあり、「間違っていないけどなんか違う」となりがちです。現地語ができない依頼者からすればその翻訳が合っているか確認のしようがないため、最初から現地での生活が長く文化や流行を捉えている翻訳者に依頼することをおすすめします。
ワークシフトでは自社の商品やサービスが売れるか現地の人に相談できます。
相談できる専門家を国やスキルから探すことが可能です。
ユーザー調査
自社がインバウンド対策で訪日客にサービスや商品を提供したいとなった時に、どのような商品をどの地域に、どのような価格で売るのかを決める必要があります。こうしたいわゆるマーケティング調査を行うことで自社の時間的金銭的投資に合う売上や利益を上げることができるのかを考えます。
具体的には、販売を予定している商品の知名度やカテゴリー知名度、競合製品の存在などを調査します。これらはターゲット地域の一般消費者へアンケートを取りたいので、クラウドソーシングを十分に活用することができます。クラウドソーシング上に登録しているターゲット地域の在住者と交渉し、調査の趣旨や実行可能性を確認します。もし調査ターゲットと被っていればその在住者はもちろん、その在住者の現地の知り合いネットワークを活用して調査対象を広げることができます。
こうした調査の結果、十分に競争力があり十分な売上が見込める商品を定めて、インバウンド対策で販売していきます。
サイト構築
インバウンド対策のサイトを構築する上でもクラウドソーシングを活用することができます。インバウンド対策を実施する際には商品やサービスの魅力を知ってもらうために、WebサイトやSNSを立ち上げます。
もし自社でWebサイトを開設する場合には、サイトオープンまでにさまざまなステップが必要になります。
ワードプレスのようなサイトを使用することもできますし、完全にゼロからオリジナルのサイトを使用することもできます。いずれにせよ、多かれ少なかれプログラミングの知識が必要になります。
こうした場合にもクラウドソーシング上でシステム開発を依頼することができます。
サイトに掲載する商品名やキャッチコピー、メニューなどをターゲット地域に合うように多言語化する必要もあります。サイトに掲載する日本語をそのまま現地語にするだけでは不十分なことも多く、現地語で意味が伝わる表現にする必要があります。LPの作り方も、国や地域によって根本から違うことも多いの要注意です。
国や言語、地域によって定番の型が異なっているので、必ずターゲット地域の消費者の視点を取り入れてインバウンド対策のプロジェクトを進めていく必要があります。
サイト構築や商品をアピールするLP作成、商品説明の翻訳の他にキャンペーンバナーや広告も現地のターゲットに即したものにする必要があります。
現地の消費者向けに広告やデザインを作成してきた経験のある人材に依頼することで、ターゲットに馴染み深いサイトにしていくことができます。
プロモーション
作成したインバウンド対策のサイトを、いかにターゲット消費者に届けていくのかも非常に重要なプロセスになります。このアクセスを集めることが一番重要かつ、一番難しいと言っても過言ではないでしょう。 競合が多い、オンライン上での信用を構築していくなどいくつかのステップを踏みながら、商品やサービスの認知度を上げていく必要があります。
オンライン上で認知度をアップするには
オンライン上で認知度をアップするにはいくつかの方法がありますが、代表的なものは検索エンジンによる検索、SNS、広告などがあります。
検索であれば、検索エンジンで表示されるようなユーザーに役に立つサイトを作成していく必要があります。その多くは、コンテンツマーケティングと呼ばれ、ユーザーの目線から役に立つような情報ページを作成していきます。現地語で狙ったキーワードに対してユーザーが求めるようなコンテンツを作成していきます。
SNS運用については、まず運用するSNSを決め、ターゲットユーザーに届くようにコンテンツを投稿していきます。現地語であることはもちろん、ペルソナを明確に決め、どのようなベネフィットを提供するのか、どれくらいの頻度で自社の商品やサービスに集客するのか、レポートの作成や効果測定はどのようなタイミングで行うかなどを明確に定めていく必要があります。
広告出稿による集客でも独自のノウハウが必要です。SNS運用とも同じく、現地語で発信することはもちろん、数値など中長期間にわたる広告運用が必要です。
オンラインの広告運用ではまず広告を出稿する対象となるキーワードを探す必要があります。自社の商品やサービスを売るためには、どのようなキーワードを求める消費者にアピールする必要があるのか、どんなキーワードが必要とされるのかを調査します。例えばGoogleであれば、こうした情報を手に入れることができるツールを提供しているので、これらを利用します。
キーワードが見つかり、実際に広告を出稿できることがわかったら、次に広告文を作成します。限られた文字数の中で売上を上げるための広告文はどのようなものなのか、商品やサービスの特徴を踏まえつつも現地の消費者に受け入れられるような広告文はどう作っていけばいいのか、現地の人材と相談しながら作成していきます。
広告文を作成したら、その広告をクリックしたユーザーに向けて商品やサービスの魅力を発信するランディングページを作成します。 ランディングページの構造や文字の大きさ、デザインなど、最適化するために作るものはさまざまです。
ここまで、インバウンド対策で売上を上げるための具体的な手順をご紹介してきました。これらの手順を進めるためには、ターゲット現地のことをよく知っており、オンラインビジネスのスキルや経験を持っている人材を同じチームに入れて進めていくことが望ましいです。
もし自社の中にそうした人材がいない場合には、外部のリソースを積極的に活用しましょう。 例えば、現地に住んでいてクラウドソーシングサイトに登録している人材であれば、スキルや経験を元に業務を依頼することが可能です。
インバウンド対策でクラウドソーシングを活用するメリット
インバウンド対策でクラウドソーシングを活用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
まず1点目、訪日客向けに販売するために必要な専門知識やスキルを持った人材を見つけやすいという点があげられます。現地語に対応するための言語スキルをはじめとして、現地の消費者からの安心や信頼を得るためにはデザインや流行、インサイトを理解しておく必要があります。社内の、もしくは日本国内の人材だけではそうした専門知識やスキルを満足に準備することは難しいため、クラウドソーシングなどオンライン上で働く世界各地の人材に直接仕事を依頼できるというのは貴重な機会になるでしょう。
そのほかのメリットとして、仕事を依頼するための金額が安いという点もあげられます。新興国を中心に、世界各国は日本よりも物価が安いことがほとんどです。そのため、一定の業務に対する必要な報酬は日本基準と比べても安くなることが多いので、日本国内の人材や業者に依頼するよりも費用を安く押させることが可能です。また、海外のオンラインワーカーは別に本業を持っており、オンラインワークは副業として活動していることが多いです。そもそも日本と海外では副業規定に関する違いが多く、副業することが禁じられていないことがほとんどです。
本業も持っていて企業に所属している優秀な人材をうまく活用することで、インバウンド対策をより早く、より安く進めていくことが可能になります。