フィリピンへの海外進出を成功させるために知っておくべき知識と事例
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経済成長を続けるフィリピン
こんにちは!ワークシフトの海外ビジネスサポート部です。
フィリピンへの海外進出を目指す日本企業の方に、フィリピンでの進出で成功しやすい方法をご紹介します
日本人にとっては様々な方面で馴染みの深いフィリピン。平均年齢も若く、国内の産業に勢いがあることから、経済成長を続けています。
国内の経済規模を示すGDPで2016年のデータではフィリピンは世界で28位で日本の約6分の1の規模です。
それが2050年の予測ではフィリピンはGDP規模が世界で19番目に大きくなり、現在の4倍ほどに拡大すると予想されています。このデータは世界的な会計事務所であるプライス・ウォーター・クーパースが発表しています。
また人口も2015年に1億人を突破し、1年で2%の増加をしています。また平均年齢も23歳と周辺の東南アジア諸国と比べても非常に若く、これから労働・消費世代が増え続ける人口ボーナス期を迎えています。
海外進出に必要なノウハウや情報は以下のリンクからもご覧ください。
企業が海外進出する際に注意すべきポイントとビジネス上の課題 - ワークシフト
フィリピン進出に関してお困りの場合はこちらからお気軽にご相談ください。弊社のスタッフがインバウンド対策を実施する方法をご案内いたします。
フィリピンと日本の関係性
フィリピンでの好意的な対日感情
フィリピンは親日国として知られています。戦後の関係性や日本のポップカルチャーが受け入れられている関係もあり、多くの人が日本に好意的なイメージを持っています。定量的な調査においてもフィリピンにおける日本への親しみの感情は他の国に対するものと比べても非常に高く、良いイメージを持っている国民が多いと言っても過言ではないと言えます。
これは日本が対フィリピンに行ってきたODAなどの開発援助や、インターネットにより日本のポップカルチャーなどの文化を発信することができた影響があります。特に近年では、これはフィリピンに限ったことではありませんが、アニメや漫画などのデジタルコンテンツがフィリピンに受け入れられており、さらに日本という国の認知度が高まっています。
お互いの国に住んでいる人も多い
多くの日本人にとってフィリピンが馴染みのある国である理由は、フィリピン人の日本の生活の中で見かけることがあるからとも言えます。現在日本に住んでいるフィリピン人は約20万人で中国人や韓国人についで3位の規模です。それに対してフィリピンに住んでいる日本人は約2万人とされています。
また最近ではフィリピンのセブ島が観光地や英語の留学先として開発されており、日本人にとってもよく知られた地名になってきました。
経済面で戦略パートナーシップ協定を結んでいる
前述のようにフィリピンは若い世代の労働力を豊富に抱え、これから大きな経済成長を見込めることから日本とフィリピンは戦略パートナーシップ協定を結んでいます。この協定により、安全保障面や観光促進をはじめとして、経済面でもより強い関係を築くことができるようになります。この戦略パートナーシップ以外にもこれまでにも日本とフィリピンはいくつかの協定を結んでおり、2006年に結ばれた経済連携協定では人材の移動にかかる税金が免除になり、日本はフィリピンから看護師や介護福祉士などの受け入れを進めています。
フィリピンに進出するとどんなメリットがある?
前述のようにフィリピン人の日本に対する印象は好意的なものが多いため、日本で認知されており海外にも情報が発信されているブランドであれば、進出したすぐの段階でのハードルは下がります。
日本でブランドが確立している小売店や飲食店などのBtoCビジネスはチャンスが高いと言えるでしょう。
自社で情報発信をしておらずとも、今はフェイスブックやツイッター、Instagramなどで自然と情報が拡散されているのでこれらSNSでの投稿を検索し、自社情報の広がりを確認することが重要です。
特にフィリピンは若い消費世代の人口が多いため、BtoCのビジネスは拡大しやすいとも言えます。
また親日的な地域だと他の国の製品と比べて日本製品が選ばれやすいという利点もあります。
家電製品に関しては機能や値段が製品によって大差ない場合、ブランドイメージの良い方が選ばれやすいです。そのため親日感情が高い国や地域だと日本の製品の売り上げが立ちやすいというメリットがあります。
英語が公用語
フィリピンは現地の土着後であるタガログ語と英語が公用語として使用されています。
フィリピンはキリスト教国であることから英語が使用されており、特にマニラなどの都市部では英語を流暢に使用できる人の割合が高くなっています。
日本企業が現地に進出するに当たって、現地企業や行政機関と英語でやり取りできるというのはコミュニケーションの面からするとコストを抑えることができます。
現地語であるタガログ語だと、日本語↔︎タガログ語を扱える人材を必要とし、交渉の際のコストが上がってしまいます。日本語↔︎英語であればビジネスレベルで両言語を使える人材は数多く存在します。
フィリピンに進出する際のリスクやトラブル
外資進出の規制
フィリピンは他の多くの国と同じように外国企業が進出する際の規制があります。これは国の安全保障面や国内マーケット、中小企業の保護の観点から法律で定められています。
中にはマスメディアや弁護士、薬剤師など外国企業の進出が一切禁止されている業種も存在します。一切禁止されている一部の業界を除き、外国人の資本比率が40%以下に制限されている業界も多数存在します。
その他にも広告業や人材斡旋業、教育分野では外国資本比率は30%以下に抑える必要があります。
土地の所有は認められていない
フィリピンでは外国人個人による土地の所有は認められておらず、企業による所有に関しても外国人の出資比率が50%を超える企業に関しては土地の所有が認められていません。外国人による土地の所有が認められていない国は世界の中でも珍しく、今後フィリピンの経済発展に伴ってこの条件が緩和されていくことも予想されます。
資本金の下限
特定の条件下で企業の資本金の最低額が設定されています。具体的には先端技術を有する場合とフィリピン国内で多くの雇用を抱える場合においては最低でも日本円に換算して約2000万円の資本金が必要となります。
これは国内の市場や雇用環境を保護する観点から導入されている仕組みだと言えます。
投資が奨励されている業種
業種によっては外国資本による進出が奨励されている例もあります。製造業を中心としたいくつかの業種では、外国企業の進出が促進されており、法人税の免除などの恩恵を受けることができます。
国内で未熟な産業に外国企業を誘致することで、その分野の国内での人材の育成や環境の整備などが求められているのだと言えます。
外資系企業への優遇措置が厳しいものへ変更される流れ
上記で紹介してきたように、フィリピンでは海外企業に税制の優遇措置などを行い、積極的に誘致してきました。これが国内企業を優遇する方向に漸次的に変更するとのことです。具体的には外資企業の税制優遇を緩める一方で国内企業の法人税率を段階的に減らしていくとのことです。 税制優遇が制限される外資系企業は一部の業種に限られており、製造業・加工業の一部とコールセンターなどのBPO系の業態に限られるようです。 今回の政策によってビジネスに影響が出る企業は今後の動きに注視が必要です。
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