インドネシアへの海外進出を成功させるために知っておくべき知識と事例
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インドネシアと日本とのこれまでの関係は?
こんにちは。ワークシフトの海外事業サポート部です。
今回はインドネシアに進出を考えている企業の皆様にとって役立つ情報をご紹介していきます。
まず、インドネシアは東西に長い国で東端から西端まで4000kmあります。また赤道直下でもあるため、一年中熱帯気候で降水量も多く、熱帯雨林に包まれています。 人口は2億6000万人ほどで、首都ジャカルタは1000万人の人口を抱える、世界でも屈指の大都市です。労働力も消費力もポテンシャルを秘めています。
インドネシア国内の経済状況
インドネシアの2017年のGDP実質成長率は5.1%でここ数年は一定の成長率を維持しています。また近年では政策金利を段階的に引き下げ、景気刺激策を打ち出しています。
また輸出入に関しても2017年は輸出・輸入ともに前年比15%程度の上昇をしています。
日本との関係
現在日系企業のインドネシアへの進出は約1500社となっており、中でも自動車、家電、日用品のメーカーが数多く進出しています。特に自動車関連メーカーの進出が目立ち、実際に輸出額も増加し続けています。また最近ではトヨタ自動車や三菱自動車がそれぞれ数百億円規模の新工場の操業を始めたことが話題になりました。
これらの企業の進出など、日本の対インドネシア直接投資額は年々増え続け、2016年は前年比87%増と大きく増加し、過去最高を記録しています。
日本とインドネシアの関係に関してはASEAN加盟国の中で、唯一日本との包括的連携協定(AJCEP)協定を結んでいない国となっています。ただ、近年の両国の関係と考慮すると、協定が新たに結ばれる可能性もあり、注視が必要です。
海外進出に必要なノウハウや情報は以下のリンクからもご覧ください。
企業が海外進出する際に注意すべきポイントとビジネス上の課題 - ワークシフト
企業が海外展開する際に実施すべき手順とステップとは? - ワークシフト
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企業によっては海外案件を日本国内の会社に丸投げしたり、現地の販売代理店にすべて任せてしまうケースも見受けられます。その結果、情報に偏りが出たり、社内にノウハウが残らなかったり、作業に時間がかかるケースも出てきています。また中間業者に大きな費用を払っている場合、コスト的に次の施策を実行するのが難しくなる場合もあります。そうは言っても、現地に駐在事務所を開設するのも大変な作業です。そこで海外進出・海外展開を検討する場合は、現地とのダイレクト・コンタクトを構築しもう少し気軽に現地情報を収集する体制を構築することが重要です。
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企業が初めての海外地域に進出し販路を開拓するには、やはり多くの準備が必要になります。現地の調査から始まり、現地取引先との交渉、現地でのPR施策や印刷物の作成など、海外進出では多くの業務が必要になります。また、言葉や商習慣が違う場合があるので国内のものをそのまま利用できない場合もあります。そこで、現地の専門家にこうした業務を直接依頼することで少しでも安くスピーディに実施していくことも重要になります。国や地域ごとに信頼できる専門家のネットワークを構築することで、海外進出・海外展開を成功に導く可能性が高まります。以下にワークシフトで専門家に依頼できる業務の事例をご覧ください。
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インドネシアの長期展望
インドネシアは政府が「海洋国家構想」を掲げ、道路、港湾・海運、空港、電力などのインフラ整備を加速させる計画を実行しています。インフラ整備は発展途上国でもあるインドネシアの弱点でもありました。
インダストリー4.0を発表
インドネシアは政府全体の取り組みとして「インダストリー4.0」という計画を発表しました。これは製造業を活性化するための計画で、2030年に世界の10大経済大国入りを目指しています。
この計画では重点的に強化する産業として食料品、衣料品、自動車など製造業を中心として製造業としての立国を目指しています。また製造業だけではなく、製造業立国を達成したあとを見越してIT分野における環境の整備も考慮されている計画となっています。
インドネシアの安価な労働力と外国企業への優遇措置
では、インドネシアに進出するとどのようなビジネスチャンスがあるのでしょうか。
現在、多くの外資系企業がインドネシアへの進出を試みています。その背景には国内の物価の低さに伴って労働賃金も安く、人件費を抑えることができるというインドネシア国内の現状があります。
具体的には人件費は日本の8~10分の1程度で、アジアの新興国と比べるとインドやベトナムなどと同程度となっており、先進諸国にとっては魅力的な労働市場となっています。ただ、他の多くの新興諸国と同様に、労働者の賃金は上昇傾向にあります。
外国企業に対しての優遇措置
インドネシアでは特定の条件を満たす外国資本に対し、優遇措置を行なっています。 具体的には多くの労働者を雇用する、先端技術を利用する、自然環境保護を行うといった条件を満たす事業内容であれば優遇措置として所得税や法人税などの免除を受けることができます。
そのほかにもインドネシアに特徴的な外国資本への優遇施策として投資許可の短時間発行があります。投資金額が日本円で約10億円以上、もしくは現地のインドネシア人を1000人以上雇用するという条件を満たす計画であれば、3時間以内に会社設立に関する行政手続きを完了することができるという仕組みがあります。
インドネシアへの進出で困ることやトラブル
ここまで、インドネシアに進出することによる様々なビジネスチャンスや企業にとってのメリットを挙げてきました。それでは、進出する際にはどのような課題が生じるでしょうか?インドネシアの進出時に起きる問題やトラブルなどのリスクも紹介していきます。
土地の所有はインドネシア国民のみが可能となっており、事業を運営するためには所有権に代わる権利を取得する必要があります。これと同様の仕組みになっているのはフィリピンです。
インドネシア国外の国籍を持った人がインドネシアで働くにはインドネシア語の教育や研修を受ける必要があり、インドネシアで事業を行う上で定められている義務となっています。
通関の煩雑さ
インドネシアは近隣の東南アジア諸国と比べて通関手続きで時間がかかると言われてきました。例えば食料品であれば原産地を正確に明記する必要などがあり、食料品に限らずインドネシアに輸出する際にはこの手間が外国企業にとってコストになっていました。しかし2018年2月から通関に関わる仕組みが一部変更され、鉄鋼品関連を中心に自動車・家電関連などに使用される品目に関しては輸入時の検査など不要になり、輸入後に管理する体制に変更されました。
この変更はインドネシアの現地企業もしくは現地工場にに原料や材料を運び込む必要のあったメーカーにとっては朗報と言えます。
インフラが未整備のところも見受けられる
インドネシアにはインフラが未整備の箇所がまだ見受けられます。各地の道路を舗装やブロードバンドの敷設などが行き届いていないという状況があります。例えば、ジャカルタ・バンドン間で高速鉄道を開通する予定がありますが、これが当初の計画より遅れており、その背景には各地の地権者との交渉が予定通りに進んでいない実態があります。
インドネシアへ進出する企業は常に最新情報にキャッチアップする必要がある
以上のことをふまえて、インドネシアに向けて進出するにはどのようなことが必要なのでしょうか。
インドネシアにおいては上記でご紹介してきたように、行政の管理する法律や制度、仕組みなどが短期間で変更されることが多くなっています。直近のものに着目してみると外国資本にとっては有利な変更が多い状況となっていますが、政府や行政の移り変わりによってこれらの制度が外国資本にとって不利な変更になることも否定できません。
近年では再び自由化に向けた動きが加速していますが、以前インドネシアが国外企業に関する規制を緩めたところ国外企業の進出で国内企業が打撃を受けたという経緯もあり、引き続き制度の変更に対して注視が必要です。 したがってインドネシアに進出する際には外国資本に影響のある制度の変更があるかどうかを逐一確認する必要があります。現地の業界誌やWebサイトを確認すると共に、現地ビジネスに詳しい会計士や弁護士との情報交換を密におこなっていく必要があります。
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