「インド洋の貴婦人」はおおらかで優しい
モーリシャス、と聞いて何を思い浮かべますか?インド洋の貴婦人とも呼ばれ、ヨーロッパからのバカンス客が多く訪れるビーチリゾート、モーリシャス。私は初めて「モーリシャス」と聞いたとき、まずグーグルマップで場所を確認しました。青い海にぽつんと浮かぶ、その僻地っぷりに驚きました。多くの日本人にとって、モーリシャスはピンとこない国ではないでしょうか。能動的にモーリシャス情報を探す日本の方は限られていることでしょう。
それでもモーリシャスから日本に情報発信する意味があるとすれば、それはオルタナティブ(代案)を示すことにある、と思っています。
例えば、モーリシャスのバス停は、ただ「バス・ストップ(バス停)」と書いてあるだけ。名前はなく、時刻表もありません。どこ行きのバスが来るか、の表示もありません。あと何分でバスが来るかを示す電光掲示板なんてもちろんありません。私からすればどうやってこのバスを乗りこなせるのか、と疑問に思いますが、モーリシャスの人たちにとってはそれが普通。
オフィスからの景色
見ようによっては非効率この上ないモーリシャスのバスですが、現地の人は特に文句を言っている風ではありません。日本のバスがモーリシャスのバスのようになってほしいとは全く思いませんが、モーリシャス人のこのおおらかさ、柔軟さには学ぶところがあるように思います。
イベント時の通訳
また、モーリシャスには授乳室もなければ、ベビーカーが置いてあるお店もありません。設備として子連れに親切なものはほぼゼロ。でも小さい子を連れたお母さんが肩身の狭い思いをしなければいけない場面はほぼありません。人々が子供を見る目が優しく、社会に寛大さがあるからです。
実習現場での通訳
モーリシャスにはいい加減で、あてにならないことも多くあります。でもここに住んでいるとそんなにきっちり、あくせく生活しなくてもいいのかもしれない、むしろ世界にはそういう場所が多いのかもしれない、と思わされます。日本で生きづらさを感じている人の中には、違う世界に存在する「ユルさ」を見てホッとする人もいるかもしれません。
ゴルフ場
モーリシャスに住んでいて思うことを一言で言うなら「それもアリか」です。執筆活動を通して、日本の方に「それもアリか」と思っていただけたらいいなと思っています。
毎日のオフィス