人と違う視点を強みに
エジプト出身のKamal Zazaです。日本語を専攻し、外国語と通訳の学位を取りました。
日本語を学んだきっかけ
私は子供の頃から、外国映画を観てはみようみまねで出てくる言葉や言い回しを操っていました。そんな私に両親は早くから語学の才能を見出していたようです。学校でも常にフランス語と英語は良い成績でした。そして大学進学にあたり、一番むずかしい外国語に挑戦したいと考えるようになりました。エジプトではアニメやJ-ポップの影響で日本語はよく知られていたので、真っ先に日本語が浮かびました。こうして私は高校卒業後、ガザ地区にあるミスル工科大という私立大学へ進学しました。エジプトでは国立大のカイロ大学が一番といわれていますが、私はカイロ大の日本語学生に負けたくないという一心で勉学に励みました。
大学3年生の時、日本人観光客を相手にエジプト伝統のパピルス紙を販売するお店で働いたことがあります。古代エジプト人がどのようにパピルス紙を作ったか、私が日本語で説明する度にお客様からお褒めの言葉をいただきました。思っていたほど売り上げには貢献できませんでしたけどね。
卒業後は国内の旅行会社へ就職する予定でしたが、「アラブの春」の影響で観光客が激減し、観光業界でキャリアを積む道が絶たれました。それでも私は諦めませんでした。奨学金を得て、日本へ留学することを決意したのです。しかし、私立大学出身の私には奨学金獲得の壁が高かかったため、英語力を駆使してコールセンター勤務やフリーランスの翻訳業、さらには通訳会社のベンダー管理者として働きました。その後カイロ大学の修士課程に入学し、ようやく日本への道を勝ち取ったのです。
2015年に、九州大学へ1年間留学しました。他の留学生と違って、私はいわゆる観光名所に興味がありませんでした。真の日本文化に触れたかったのです。勉強のかたわら2つのアルバイトをかけもち、仕事の後に居酒屋へ仲間と繰り出したり、街の散策やサークル仲間と旅行したりして、留学生活を過ごしました。
ワークシフトとの出会い
大学院修了後はドバイへ移りました。レジャー産業の会社に就職し、日本・アラブ・英語圏の顧客サポートに従事しています。
ドバイで仕事を探していた時、ワークシフトのサイトを見つけました。オンライン経由で通訳の仕事を得ることは期待できませんでしたが、まずはワークシフトに登録して運を天にまかせようと思ったのです。そんなある日、ワークシフトのスタッフから電話をもらい、通訳の仕事を打診されました。その日から、ワークシフトのつながりと信頼は深まる一方です。今でもしばしばワークシフトを通じてプロジェクトを請け負っています。
ワークシフトが他のプラットフォーマーと決定的に違うのは、サイトの裏で一心に働くスタッフがいることを実感できることです。ワークシフトの人達は非常に信頼でき、尊敬に値します。
日本のクライアントに対する印象
私の経験上、きちんと約束を守り、正確性を期して期待以上の仕事が出来れば、日本のクライアントほど気持ちよくお仕事出来る人達はいません。彼らはこちらの仕事に対して本当に敬意を表してくれるのです。その反面、一度信頼を失ったら、二度と挽回できません。
ワークシフトのお仕事で最も思い出に残っているのは、調査のお仕事で日本から出張で来ていたクライアントに同行し、イベント会場で通訳したことです。クライアントはとても気さくで、仕事の後は一緒に街へ繰り出しました。日本帰国の直前には今まで知らなかったドバイの新たな一面を発見し、非常に楽しい滞在だったとのメールをもらい、とても嬉しかったです。メールにはまたぜひドバイを訪れたいとも書かれていました。私が日本を訪れる時にはクライアントが私を歓迎してくれるそうなので、今からその日が待ち遠しいです。