U.Sから始まったクラウドソーシング市場は、現在、アジアオセアニアでも急成長の兆しを見せ始めています。
現在では、Freelancers.comを筆頭に、
中国;「猪八戒」 オーストラリア;「99desings」
インドネシア;「sribu」 日本;「Lancers」
が代表的なクラウドソーシングサイトになります。
では、なぜ海外からこれほどまでに注目を浴びるエリアとなってきているのでしょうか?
考えられる要因は下記4点になります。
[1]人口ボリューム
[2]経済成長率
[3]インフラの整備
[4]優秀な人材の宝庫
==[1]人口ボリューム=================================================
アジアオセアニア地域には、全世界の約52%が住んでおります。
少し前までは、中国で一人っ子政策が実施されていたのはご存知かと思います。
現在では、逆に少子高齢化が問題となってきているため、規制が緩和されましたが、
他国に比べて人口保有率は群を抜いております。
==[2]経済成長率=========================================================
2008年のリーマンショック以降、アジア市場への注目が集められるようになり
「人口量」「中間・高所得層の増加」「一人あたりのGDPが低い」などにより先進国に比べ
+約4%の伸び率が予測されています。
==[3]インフラの整備=======================================================
PwC(プライスウォーターハウスクーパース)によると、技術の向上やコストの低下などにより
年率6~7%の成長が見込まれています。また、アジア圏では経済成長による都市化が進み
インフラ整備が需要項目となっております。
==[4]優秀な人材の宝庫====================================================
上記項目の成長により学歴社会が重要視されるようになり、
公用語(英語)カリキュラムの導入や大学で各専門知識の習得をする一連の流れが
出来上がってきています。その結果、自国のみならず海外進出や外資企業など活躍の場
が広がっております。
このような要因から成熟した先進国エリア(欧米・ヨーロッパ)から成長の伸びしろが期待される発展途上国エリア(アジア・オセアニア)
への注目度が上がってきているのです。
その中でも今回は、「タイ」に重点を置きたいと思います。
中国、韓国、香港は、1990年頃から注目されており、今後も伸びていくことでしょう。
しかしながら、注目が早かった分、
経済成長=物価や人件費の高騰
となり、本来のクラウドソーシングの目的(安価な労働力を得ること)に反してしまいます。
そこで、次のターゲットとなったのが、
タイ、インド、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどASEAN諸国になります。
その中でもタイは、ASEANの中心拠点となっておりビジネスをするうえでメリットが多い国として挙げられます。
ここで皆さんに質問です。
「タイ」というと何を思い浮かべますか?
仏教、、食べ物、、、マッサージ、、、自動車
現地調査によると、
人口;6200万人
年少人口(0~14歳) 17.6%
生産年齢人口(15~24歳) 15%
生産年齢人口(25~64歳) 57.8%
高齢者人口(65歳以上) 9.5%
失業率;0.7%
一次産業(農林水産) 12.3%
二次産業(鉱業、電力を含む) 43.6%
三次産業(通信や金融、小売などサービス関連) 44.2%
(参考資料;CIA- The World Factbook)
元々は、第一次産業が主としてきましたが、経済・インフラの発展によりIT関連へと移行してきております。
他にもタイ政府では、BOI(The Board of Investment of Thailand)による外資系企業による投資拡大を誘致する
政策がとられており諸外国企業からの進出が絶えない状況です。その一方、タイの学歴社会が影響し、「高学歴=高収入」という
構造が成り立っており、高卒や職業技術学校卒でも大丈夫な製造業が高学歴の若者を獲得するのが難しく、近隣国の労働者を確保している状況です。
では、高学歴の若者はどのような職種に着目しているのでしょうか?
選択肢の中の一つとして挙げられるのが、「クラウドソーシング」への参加になります。
先ほど述べたように、大学卒生などは、高い英語レベルと専門技術を習得していおります。
Freelancerによると、現在タイのユーザ数は2万3000人(2万人はフリーランサー、3000人は中小企業のオーナー)との報告が上がっております。フリーランサーの主に選択するプロジェクトとして、
PHP、 MySQL、Software Architecture、Software Testing
などIT関連を選びます。報酬(給与)は、1回の仕事でタイ労働者の最低賃金約1か月分になります。タイ人の仕事・お金の考え方として[夢のある仕事(高収入・ベンチャー)>夢のない仕事(定収入・安定)]を選ぶ傾向にあります。
これを背景に、今年9月には、Freelancerがタイ語サイトを立ち上げより多くの高レベルIT技術者の獲得を図りました。これによりFreelancerは、今年度末には、約50,000人のタイユーザーを獲得することができると予測しております。タイ政府はこのような機会を掴むことで、情報通信技術リテラシーを強化し、インフラを改善することで、より多くの専門家がオンラインで職の機会を得て他の国々の専門家との発展的な協業に参加する可能性を生み出し、政策の一環にもあるICT MASTER PLANに更なる拍車をかけることになるのではないでしょうか。
今、FACE TO FACEの「外注」の姿からインターネットを通しての「外注」の姿へと移行しつつある産業の変革は、今後、より多くの可能性を誰もが得ることができるであろう姿へなろうとしています。