今回、ワークシフトは、ビルの49階、東京の夜景を一望できるこの会場で、講演会を行いました。
30名前後の人が既に会場には集まっていて、真剣な雰囲気が会場には漂っています。その中で今回は、クラウドソーシングの賑わいについての講演を行いました。
最近では、クラウドワークスが上場するという話が出てきて、ホットなテーマになっております。まず、前提としてクラウドソーシングの基本情報をお伝えすると、アメリカで始まったもので、雲の「クラウド」ではなく、群衆の方の「クラウド」です。つまり、社外の不特定多数の人にインターネットを使って業務を外注することです。
クラウドソーシングを聞いたことがあるか、という質問に対しては会場のほぼ全員が手を挙げました。しかし、活用をしているという人になると、二名程度まで人数が減少しましています。そうした方は、ご自身で受注をされている方や、企業のロゴの制作を依頼したことがある人でした。
なぜ、今クラウドソーシング賑わっているのかを考えると、やはり「人手不足」「ITスキルをもった人材不足」が考えられます。特に、中国や東南アジアが人口の多さやインターネットの環境整備の点でもユーザーが多くなっております。
実際に弊社の紹介コンテンツの多くもクラウドソーシングを使って依頼しているのですが、非常にクオリティの高いものが出てきます。たとえば「会社のPVがほしい。10万円程度で作ってくれない?」と投げると、一週間前後で勝手に作ってくれるのです。コンテンツは、弊社のページを全部見て、切り貼りし、音やアニメーションを付けてくれていました。
こうしたクラウドソーシングの業界に着目した理由としては、以前の金融の職場での米国経験でした。アメリカが広大ということもあるのですが、同じ会社の人間でありながら、全く違った州で仕事をしていたことでした。
こうしたクラウドソーシングの発展によってのメリットは大きく分けて三つ考えられます。
1.地域の壁がほとんどなくなる
2.必要な時に、必要なスキルを求められる
3.時差や物価差を活用できる
特に最後の「時差や物価差」を活用するという点では、アメリカ人がインド人によく業務を依頼することからもわかります。アメリカが夜の時に、インドが昼であったりするので、寝ている間に業務が完了するということが可能なのです。日本では、ブラジルなどが時差の面でも、親日という点でも良いのではないでしょうか。
ここで、一旦ディスカッションを始めて頂きました。このディスカッションのテーマは二つです。
1.人口減少社会に際し、日本の社会の対応について
2.企業のマネジメント層として、あなたはクラウドソーシングをどう活用していくか
この二点について机で話し合ったのち、内容をシェアしてもらいました。
こちらが具体的に話し合われた内容です。クラウドソーシングにおけるポジティブな意見、ネガティブな意見が見られました。
【班の中での会話】
○ポジティブな意見
・やはり、話の内容として、人口減少社会に対しては、移民を受け入れるではな
く、クラウドで外注するというという方向性になるのか?
・成功の方程式をアジアの人は日本に見ている。
・言葉がバリアにならない仕事も多いのでは?
・ウェブデザイン料が、九州や北海道、四国では東京の7かけとかにもなる。ベトナムとかだと更に。コードとかの量が多いと、外注した方がはるかに安い。外国人に対しては、簡単な仕事をふって、その結果をみて、技術レベルや傾向の判断がつく。
・業務委託などがかなり面倒な場合、小さな5万や10万などの仕事に関してだといい。手続が面倒だから。
○ネガティブな意見
・活用できる仕事には限りがある。
・いきなり、会社対個人でやると、やはり不安。大きな会社になればなるほど、個人との業務委託契約が禁止なところが多い。
・面倒くさい法的なところを、自動車の保険会社のようにやってくれるといい。安心材料。
・東京のウェブデザイン料が高い。
・業務委託などで、5万円の仕事を頼むのに、手続きなどで時間がかかるのであれば、コストが逆に無駄。だったら、自社で囲った方が便利なのでは?
・あまり価格が高いと、外注する意味がなくなるのではないか。年間を通じてやるような仕事だと、社内で育てればいいし、年間で作業が少ないのであれば、外注した方が安い。
・繋ぐ会社として、発注してもらう人にリスクを説明できないと、日本の場合は厳しい可能性がある。
話し合いの中には、弊社のインターンも内部に入ったのですが、みなさん積極的に話し合ってくださっていました。中でもやはり「質」と「コスト」の問題がテーマにあがっていたことが多かったように感じます。小さな大量の仕事をいちいち頼むのに時間やコストがかかってしまうのであれば、それは自社の中で完結させた方が良いでのは、といった話も見受けられました。
また、質問タイムには、多くの質問をお受けいたしました。
【会場からのQ&A】
Q:仕事の成果物はネットだと転送できても、アテンドの時の成果物はどうしているのか?
A:ECのように物がでると難しいが、現地のアテンドだと、商談で隣に座らせて現地の人が何を言っているかを聞かせるということもあります。現地でのアテンドが終了後に決済をします。
Q:色々な人により感覚は異なるが、秘密保持は守られるのだろうか?
A:利用規約上は守秘義務は書いているが、お客さんによっては、自分達のひな形にサインをさせるお客様も居る。しかし、弊社は日本企業なので、管轄は東京になる。さらに、そこまで情報漏えいが気になるような仕事を頼む人もそこまで多くない
Q:課金などの契約関係がどうなっているのか?
A:弊社の利用規約をもとに、利用規約に基づいて受注発注するという形をとっている。大企業で、個人に頼めないという時は、弊社が一旦受注して仕事をするとう形もあります。
契約段階は、色々な人に申し込んだときに「あなたに依頼する」ということが形になる。
Q:クラウドソーシングは向き・不向きがある。ポスティングをしたのに人が来ないとか、期待を下回ることは起こり得る?
A:フリーランサーの「見える化」が今後は進んでいきます。メッセージの返事が遅い人や、コミュニケーションが積極的に取れない人はやめたほうがよい。自分の「お気に入り」をいかに増やしていくか。最初は定額から始めるのがいいと思う。運営側としては、仕事を頼んだ人が評価をできる仕組みを作っています。
全体的に、質問も多く賑やかな会としてしめることができました。