2017年の訪日外国人(インバウンド)は2800万人を超え、消費額は4兆円を突破しました。富士山や京都などのいわゆるゴールデンルートやそれ以外の地域への観光、そして近年では”コト消費“がキーワードとなっていますが、こうした日本の観光を根底から支えているのは、日本の食文化だといわれています。2017年9月~12月の観光庁の調査においても、「訪日前に期待していたこと」という質問では、約70%の訪日外国人が「日本食を食べること」を期待しています。そのうち「最も満足した飲食」に挙げられているのは「寿司」「肉料理」「ラーメン」「魚料理」が上位を占めています(観光庁データより)。
こうした日本食の中でも特に外国人に安定して人気なのが、和牛をはじめとした肉料理です。
日本産の牛肉、和牛は時間・手間をかけて日本人好みの柔らかい「霜降り」、ひと噛みするだけで香りの良い脂と肉汁が溢れ出し、口の中でとろける風味と食感に仕立て上げています。この食感が外国人にとても人気なのです。例えば神戸牛は海外でも「Kobe Beef」として知られているほどです。
トリップアドバイザーの口コミ集計によると、訪日観光客に人気のあるレストラン、トップ10のうち4件は和牛の名店でした。こうした「肉料理」好きの訪日外国人向けに、シャリに魚を載せた従来のすしとは違う「和牛すし」も生まれ、訪日外国人に親しまれているようです。食文化や観光によるインバウンド誘致を推進するために、農林水産省も「農泊 食文化海外発信地域」を昨年度から創設しており、今年度も新たに10地域指定しています。
日本食の人気は、観光だけにとどまらず、輸出でも好調です。和牛と日本酒は特に好調で、日本酒の17年の輸出量は、過去最高だった16年の輸出量を19%増の2万3482キロリットルを記録しています。和牛にいたっては17年の輸出量2706トンを記録しており、過去最高の16年比遙かに上回る42%増となっています。さらに「海外の日本食レストラン」の店舗数も増加しています。2006年には店舗数は約2.4万でしたが、2017年の調査では11.8万となっており、約5倍となっています。
出典:https://goo.gl/NJv8Ys
昨年10月に日本産牛肉の輸入が16年ぶりに解禁された台湾では、空前の”和牛”ブームが起きており、消費の盛り上がる春節(旧正月)において高級レストランやホテルなどでは、和牛の販売強化が進んでいます。日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)に合わせて台湾各地でPRイベントを開催するなどしています。JFOODOによれば、台湾は海外に向けた日本産和牛PRの1カ所目。台湾には鍋文化が根付いている上に、肉を薄くスライスする技術が発達していることから、肉本来の品質の違いが際立つ「しゃぶしゃぶ」を切り口にPRを展開していくそうです。
出典:https://goo.gl/kxRcct、https://goo.gl/SGEqtc
JA全農は2月22日、米国に設立した食肉加工販売会社が稼動を開始すると発表しました。日本から輸出する和牛のブロック肉を現地で顧客ニーズに合わせて加工することで付加価値を高め販売先を拡大するのが狙いです。
2017年の農畜産物に関して、和牛の輸出が過去最高を記録したということもあり、今後はさらに和牛のニーズが伸び続けるでしょう。
このように国内外問わず、日本食の人気や関心が高まっています。ワークシフトでは、輸出をにらんだ日本食に関する意識調査や日本食の販売を企画している現地主要企業のリスト化、食材の販売状況の実地調査、一方でインバウンドをにらんだメニュー・店舗案内の多言語翻訳やSEO対策の多言語ライティング、デザインと翻訳という業務も取り扱っております。マーケティングの足がかりをつかむ、その一手をにらんだ戦略のお手伝いをいたします。