クラウドソーシングで出来ない事はない!?
昨年ある企業の社長さんから一本の電話がかかってきた。聞くと、「クラウドソーシングでフィリピンでの市場調査を依頼したい」との事だった。現地市場調査はクラウドソーシングの得意分野であり、もちろん大歓迎である。クラウドソーシングは市場調査をしたい地域の外国人にネットで仕事を直接依頼できるため、コンサルや総研に頼むよりも安くより早く現地の情報が得られると言うメリットがあり、中小企業の海外進出の第一歩としては非常によく使われている。
JETRO、JICA、現地政府でも分からなかった事を知りたい?
更に話を進めていくと、どうやら「JETRO、JICAとフィリピン政府に聞いても分からなかった」ことらしい。つまり、現地政府でも把握しきれていない現地情報を直接現地の人に聞く事で知りたいと言うのである。そこでとりあえず依頼をサイトに掲載してみた。
依頼は「フィリピンで電線が通っていない村を知りたい。村長が居て、200世帯以上、が条件」というような内容である。そしてこの名前、連絡先など6つの項目をExcelシートにまとめ、最低5カ所教えて欲しいということである。また、1件当たり2,000円で、日本語で入力して依頼した。
日本語で依頼しても外国人に伝わる?
なんと結果は、日本語で依頼したのにも関わらず1週間で合計8件の提案。この結果には依頼してくださった企業の社長さんも大喜びであった。採用者がフィリピン人であることにも驚きである。フィリピン人は日本に対して好意的だと言うのはよく聞く話だが、難しい日本語で依頼した内容に対して8件も提案があった事を考えると、いかに優秀なユーザーが世界に多いかということである。現地に直接依頼する事でよりニッチな情報を早く手に入れる事ができる、これこそがクラウドソーシングの魅力ではないだろうか。
以上を踏まえると、クラウドソーシングは使い方をマスターすれば出来ない事はないのかもしれないと思わせてくれるものである。しかしながら、海外のユーザーと顔を会わせることなく仕事をすると言うのはそれ相応のリスクが伴うのが事実である。企業情報の漏洩や契約したのに仕事がされないなど、このようなリスクを今後いかになくしていけるかが、クラウドソーシングが更なる発展を遂げる上での最重要課題となってくるに違いない。