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要約

前回は技術と働き方の関係について、「マッキンゼー報告」をもとに見ていきました(https://workshift-sol.com/research/detail/35 )。技術革新は生産性を上昇させ、インターネットの普及によりどこでも仕事ができる環境になりました。一方、近年ではAIの発達が人間の雇用を奪う、という議論が様々な領域でされています。今回は「マッキンゼー報告」をもとに、特にAIと自動化が仕事に与える影響について考察していきます。


AIの台頭にみる働き方の未来

AI技術の発達による働き方への影響を懸念する声は少なくありません。例えば、オライリー・メディアの創立者であるティム・オライリーは、「現在の仕事の47%は、今後20年間で自動化される“リスク”がある」、というオックスフォード大学教授の指摘を引きながら、労働をめぐる技術の使い方について警鐘を鳴らしています。

製造現場の自動化によって、ブルーカラーを中心とした単純労働を担う仕事は機械にとって代わられつつあります。さらにAIの台頭により、今後はより複雑性や専門性の高いホワイトカラーも仕事を失う可能性があることが指摘されています。
これまで、第一次産業及び製造業といった“製品”を作り利益を生むような(特にいわゆる重厚長大型)産業が、ビジネスにおいて中心的な役割を果たしてきました。しかし近年、その役割はアプリケーションやプラットフォームといった”サービス”を用いたビジネスへとシフトしてきています。これまで以上に、IT技術/インターネットが産業の中心となるとともに、次世代のインフラとなっていくことは周知の事実でしょう。もはや、コンピュータやスマートフォンなしに社会のシステムは成り立たないでしょう。

しかし、このテクノロジーをどのように用い、応用していくかは他でもない人間にかかっています。特に働き方との関係をめぐって、5月に発表されたマッキンゼー報告が説明していた内容についてはすでに書いたとおりです。では、先のリサーチに挙げたような、リモートワークやギグエコノミー、AIやロボティクスによる自動化といった、技術革新の帰結が人間に何を求め、何をもたらすのでしょうか。


AIやロボティクスによる自動化

技術革新で中心的な話題のひとつは、AIやロボティクスに関することでしょう。AIやロボティクスにまつわる技術は既に生活の中に浸透しつつあります。例えば、自動車の自動運転技術、Google EchoやアップルのSiriのような音声認識システム、アリババ社が導入した顔認証システムによる決済、そしてソフトバンク社のPepperやソニー社のaiboに搭載されたディープラーニングのように、人工知能を機械に応用して社会に生かすということが可能になってきています。これにより、冒頭に述べたような仕事の「自動化」が進み、人間の雇用を奪う恐れがある、という議論もなされています。

これを顕著に示す例が株式市場のAI革命です。大量のデータを分析し、完璧なポートフォリオを追求するAIが登場し、もともと定量分析をベースに運用される投資信託の分野において大きな存在感を示しました。ウォール街では、トレーディング分野で収益を上げることが難しくなっており、金融機関はコスト削減に努めています。そのため、テクノロジーへの投資とその運用に必要な技術をもつ人材の確保を各銀行が強化しています。こうした技術革新ゆえに要求されるスキルの変化とその変化スピードに追いつけない従業員のスキル教育は、金融の現場において深刻な問題となっています。

AIが得意とするのは、コストカットや稼働率の上昇の他、大量のデータを収集・処理・分析し、そこから予測をおこなうことです。そのため、定量化することが可能な領域では多くの仕事が自動化されていくことが予想されています。しかも、こうした作業においてAIは人間より高い正確さを発揮します。これだけみると、たしかに人間の仕事は減っていき、奪われるように感じるのも無理はありません。しかし、技術革新によって必ずしも人間の仕事が減るとはいえないことは、すでに歴史が示すところでもあります。次の章では、AIの普及によって増える仕事について見ていきます。


AIの普及で増える仕事

自動化が進み、「正確性を要求される」「単純作業・マニュアル化しやすい」「システム化することで計算、算出できる」職業はなくなる可能性が高いことはすでに見たとおりです。
一方、AIの普及や自動化の進行によって必要になってくる職業もまた増えていきます。では、どのような仕事が今後増えていくのでしょうか。
AIの普及に伴い、必要な仕事のスキルとしては、以下のとおりとされています。

1.クリエイティブ能力

機械は、過去のデータを元に現在・未来を予測することは可能ですが、全く新しいものを作り出す能力は人間にしかできません。例えば音楽の場合、流行の歌詞やメロディの膨大な蓄積データを分析し、それらしい曲を作ることは現在の技術レベルでも十分に可能と言われています。また、それをもとに売れるか売れないかを判断することは既に海外ではおこなわれているようです。
たしかに、芸術などクリエイティブな領域にも自動化やAIの普及は影響を及ぼしています。しかし、革新的なブレイクスルーはいつも、人間の試行錯誤の果てに生まれるものなのです。そして、そのブレイクスルーを実現していくためのプランニングもまた、人間がおこなうものでしょう。

2.コミュニケーション能力

人と人とのコミュニケーションは言葉だけでするものではありません。表情、身振り、抑揚などといった言葉以外のことも重要であり、これらのことは機械で表現することができません。人間は人間を相手にビジネスをおこなう以上、営業、商談、交渉など、ステークホルダーとの重要なコミュニケーションの場にAIが出てくることは当分先でしょう。
また、人とのコミュニケーション自体が仕事の中心となるような仕事もAIが行うことはまだ難しいといえるでしょう。例えば秘書や弁護士、人事マネジメントを機械が行うことに抵抗感を覚える人も多いのではないでしょうか。少なくともすぐにこうした仕事が消えることはなく、むしろ人間同士のコミュニケーション能力は希少価値すら帯びるかもしれません。

3.決断力

機械は、過去のデータから予測を行い数字化することに長けていますが、時として一番可能性が高いことが正しいとは限りません。そこで重要になってくるのが決断力です。問題に直面したとき、未来を創造するとき、適宜適切な決断を行うことは、人間に必要な能力でしょう。また、その決断が間違っていた場合、誰が責任を負うのでしょうか。もしかしたらAIが責任をとって謝罪する日がくるのかもしれませんが、AIを生み出し、それを利用する人間が当面は責任を負う時代が続きそうです。

こうした3つのスキルを鑑みるならば、管理業務・専門知識に基づく決定を取り仕切る監督者、膨大なデータを分析するデータサイエンティストといった、AIを管理する側の職業はむしろ増えていく可能性が高いのです。
  このように、AIが普及していく未来、機械ができない、人間的な能力を高めていくことが必要になってくると予想がされています。

「全部」が変わるわけではない?

前述のAIによる自動化は、「技術的に可能」だからといって「現実的に展開可能」というわけではありません。技術的には可能でも、開発にかかるコストが高ければ、実際の導入に至ることができるのは一握りに過ぎないでしょう。どれだけハードウェアの開発が必要になるかは産業ごとに異なるため、例えば製造業とIT、サービス業を一概に語る事はできません。

また、開発・生産コストの低下に伴いハードやソフトの価格が下がったとしても、その技術と代替関係にある雇用の賃金と比べて高ければコストカットには繋がりません。賃金は労働市場の需給状態に依存しているため、必要な技能をもつ人材が豊富に存在するなら、自動化技術へと置き換える誘因は生まれることはないでしょう。 さらに、自動運転車の是非といった問題のように、産業ごとの安全規制や社会側の需要も課題となります。

現在試算されている業務の自動化が完全に達成されるには、少なくとも数十年はかかることが統計的に示されています。しかもこれは決して、「すべて」が「一気に」自動化されることを意味してはいません。もちろん、漸次的に自動化が進行するという趨勢が止まることは考えにくいですし、部分的であれ全体的であれ、ほぼすべての職種に影響が生まれるとは十分に予想されます。しかし一方で、20年前には携帯電話が普及していなかったことを考えるならば、未来のことなど統計では測れない、という見方もありうるのです。

目指すべきは「共存」

AIをめぐる議論がなされるとき、人間とAIとの対立、という構図が出来上がっているのを目にすることが多いのではないでしょうか。しかし、目指すべきは人間と技術が「共存」することなのです。AIはあくまで解決手段の1つでしかないのです。ビッグデータによる情報分析やセンサーによる認識能力はとても役に立ちますが、人間の使い方次第ではどう転ぶか分からない技術であることもまた事実なのです。だからこそ、人間が関わる余地が多く残されているともいえます。

これからの仕事を考えるにあたって、「いつ、どこで、何をする仕事か」ということに加え、「AIでできる仕事かどうか」という分類軸が生まれています。そこで必要なのは、「AIには何ができて、何が不得意か、人間が正しく理解すること」といえるでしょう。

インターネットの普及による新しい働き方

技術の革新はAIに限る話ではありません。インターネットの普及により、会社に出社しなくとも自宅で働く、ということが可能になってきています。世間ではリモートワーク、テレワークなどといわれているものです。この働き方が広まり。現在、政府で働き方改革というものが推奨されているのです。

また、インターネットを利用した新しい働き方として、配車サービスのUber、宿泊施設仲介サービスのAirbnbなどといった、デジタル・プラットフォームが挙げられます。このように、インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、それによって成り立つ経済形態のことをギグエコノミーといいます。現在、世界ではありとあらゆるオンデマンドでの人材リソースのマッチングが拡大しています。この技術を応用していけば、世界中の人々が雇用を得るチャンスがあるということも不可能ではないのです。前編に述べた、うまく働けない人々を減らすことができるという、夢のようなサービスが誕生する日が近いかもしれません。

参照

http://www.mckinsey.com/global-themes/employment-and-growth/technology-jobs-and-the-future-of-work
https://www.mckinsey.com/business-functions/mckinsey-analytics/our-insights/where-is-technology-taking-the-economy
https://www.mckinsey.com/global-themes/china/artificial-intelligence-implications-for-china
https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/getting-ready-for-the-future-of-work
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52902
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52909
https://newspicks.com/news/2547687
https://newspicks.com/news/2555471
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-30/amazon-teaches-alexa-to-speak-hinglish-apple-s-siri-is-next
https://www.businessinsider.jp/post-106278
https://www.businessinsider.jp/post-106268
https://www.businessinsider.jp/post-102946
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53018
https://www.sbbit.jp/article/cont1/33790
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34006
https://www.sbbit.jp/article/cont1/33426




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