＜訪日ムスリムの「食事」選び 同胞の口コミが最も安心＞

　訪日外国人の旅行消費額のうち、約2割は飲食費が占めています。訪日観光客の増加が見込まれる中、宗教や健康上の理由などからくる「食の安心」のニーズをいかにくみ取れるかは、食に関わるビジネスの重要なポイントとなってきています。
　そうした時流から、ムスリム同士の口コミを集めて飲食店選びのツールとするためのアプリが開発されました。また、キッコーマンはハラール認証を受けたしょうゆを業務用ルートを中心に発売し、飲食店やホテル、機内食などのインバウンド需要への対応を見込んでいます。
　観光庁の発表によると、一人当たりの旅行支出は2年連続で減少傾向にあります。一方で、2017年の訪日外国人数（推計値）は5年連続で過去最高を更新しています。旅行消費額も半期ベースで初めて2兆円を超え、中国人観光客による「爆買い」が続いていた2015年を上回る金額となっています。
　ここで2017年の訪日観光客数の伸び率を見てみましょう。購買動向を主導してきた中国からの旅行者が頭打ちとなる一方で、韓国や香港は非常に高い増加率を見せています。また、インドネシアやフィリピン、ベトナムなどを中心に東南アジア諸国からの旅行者数が継続的に高い伸び率を示しています。インバウンドビジネスは主に東アジア諸国をターゲットとしてきましたが、これからはより広い市場を視野に入れる必要があります。成長率を鑑みても、東南アジアはその第一歩になると考えられます。
　ムスリムへの配慮は、東南アジアへのインバウンド対策にとどまらず、ひいては中東やアフリカといった地域への進出にもつながっていくでしょう。

出典：
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO16788890U7A520C1X50000?channel=DF220420167277

http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201707314230/